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外壁シーリング(コーキング)の傷み症状その原因と対策法


サイディング外壁に付き物のシーリング工事。一般の方は【コーキング工事】と呼ばれることも多いですがどちらとも意味合いは同じです。
 

上田邸 (835)_original
 

新築から数年経ち、まず最初に傷みだすのがシーリング箇所です。

 
訪問販売業者さんに指摘され気づかれる方。

ふと外壁を見上げた時シーリングの劣化に気づかれる方。
 

など様々ですが、弊社のお問い合わせで一番多い工事内容になります。

 
そのシーリングの劣化ですが、傷みの症状によって原因が変わってきます。
 
 
外壁シーリング箇所が傷んでいてお悩みの方は、現在の状況と照らし合わせてご覧ください。

 

症 状

外壁とシーリング材との間に隙間ができる剥離(はくり)

コーキング劣化 (4) 

コーキング劣化(10)

原 因

・プライマーの塗り忘れ、プライマーの塗りムラ。

・外壁の動きにシーリングの接着強度が耐えられなかった。

・3面接着による施工。

対 策

・次回の打ち替え時にはプライマーをしっかりいれる。

・3面接着を防ぐため底部分にボンドブレーカーというテープを貼ってからシーリングを打つ。

 

症 状

シーリング材の真ん中が切れる破断(はだん)

コーキング劣化(72)_R 

コーキング劣化 (8)

原 因

・コーキング材自体の劣化、寿命

対 策

・次回の打ち替え時には耐久性のいいシーリング材を選ぶ。

 

症 状

シーリング材のすぐ後ろにバックアップ材、あるいはハットジョイナー(青い下地部分)が見える。

IMG_7326  

コーキング劣化 (5)

原 因

・シーリング材の厚み不足。

①のグレー部分はバックアップ材になります。その手前にある白い部分がシーリング材になります。ご覧いただいたら分かるようにシーリング材の厚みが1mm程度しかありません。

②こちらはハットジョイナーと呼ばれる下地部材がシーリング材のすぐ後ろにあり①と同様厚みを確保出来ていません。

対 策

・①の場合は、バックアップ材を入れず、ボンドブレーカーを貼りシーリングを打ち厚みを確保する(8mm以上)

・②の場合は背の高いハットジョイナーを設置してなっているものですので、どれだけ耐久性のいいシーリング材を打っても根本的な解決にはなりません。カバー部材で覆う、ブリッジ工法でシーリングの厚みを確保するしかないでしょう。

 

症 状

シーリング材がとれた状態。欠落(けつらく)

 

コーキング劣化20 (2)
 
コーキング劣化20 (1)

原 因

・プライマー不足。

・シーリング材の選定不足。

対 策

・次回の打ち替え時にはしっかりとプライマーを塗り、耐久性のいいシーリング材を選定する。

・ここまでくればとうぜん弾力性はなくスカスカの状態です。早めの対策を。

 

 

以上がシーリング材の傷み状況の原因と対策になります。
 
 
やはり全体的なお話で言えば、耐久性のないシーリング材で施工している場合がほとんどです。こちらも合わせてご覧ください。

 

長持ちするシーリング(コーキング)材の選び方とは

 

シーリングの傷みとは少しずれますがその他にはブリードという現象があります。

黒ズミの理由はブリード

 
これはシーリングを打ち替えしてその上から塗装した場合に起こる現象になります。

外壁モルタル、外壁サイディングの両方におきます。

ブリード1.JPG 

 

上の写真をご覧いただきたいのですが、塗り替えをしてまだそんなに間がないマンションの外壁です。

時間がたってない割には赤い矢印のところは黒ずんでいます。

1階と3階も同じ様に汚れていますね。

これは【ブリード】という現象です。
 
 
シール材の中に可塑剤(かそざい)という成分が入っているためで塗り終わった後はキレイでも時間が経つとシール内部の可塑剤が、塗装面に移行しベタつき感がでてきます。
 
 
それにより汚れをひらいやすくなり、黒ずんできます。塗装の世界では汚染(おせん)と言います。                                                         
 
仮にこの壁の上に塗装しても時間が経てば同じ様に汚染されるのですが それを防ぐため可塑剤移行防止剤を先に塗っておきます。
 
 
打ち替え時にはブリードしにくいノンブリードタイプのシーリング材を使用するのが前提となります。

 

シーリング(コーキング)材の増し打ちと打ち替え

         

シール工事は外壁塗装前の重要な作業工程であり

仕様は2種類あります。【増し打ち】と【打ち替え】です。

 

増し打ち

既存のシールの上にシール材を充填し厚みを増します。 

 

打ち替え

既存のシールを撤去し新たにシール材を充填します。 

(増し打ちに比べ若干料金が割高になります。)

 

例えば最初に事例をあげた状態ですと【打ち替え】は必ずしなければなりません。

では、『増し打ち』=手抜き工事か?と言われれば必ずしもそうではありません。

部位により増し打ちの方が適切な場合もあります。
 

 

例えば、サッシ廻り。

サッシ廻りを増し打ちするのはこのような状況の時です。

■サッシの形状によって既存のシールが撤去出来ない時。
■構造上、カッターを入れない方がいい時。
 
になります。

 
一つずつ解説をします。まずはサッシの形状の問題から。

  

サッシの種類によってはツバが出ているタイプのものがあります。

そのような形状のサッシの場合はカッターの刃が入らず、既存シールの100%撤去が困難です。
 
 
無理に撤去しようとするとサッシを傷つける可能性があり、また、既存シールの20~30%撤去する事を打ち替えとは言いません。

(打ち替えは、既存シールを残りカスまで出来るだけ撤去してこそ打ち替えという概念があります。)

そのような場合は三角シールというやり方で窓廻りのシーリングを仕上げます。

 

こちらの画像はツバがでているタイプのサッシですが、厚みを付けた三角シールで仕上げています。
 
 
新築時のシール工事より厚みを持たせていますので安心の工法です。

▼厚みをつけた三角シール

DSC03598_R

 

 

もう一点は、既存シールの撤去時に防水紙をカッターで切る可能性です。

ここ十年内に建っているお家であれば外壁の構造は
 

■通気工法で透湿防水シート⇒胴縁(木下地)⇒サッシ⇒サイディング

となっておりその心配は少ないです。
 
 
その一方で、築年数が15年以上経っていると

■直貼りで透湿防水シート⇒サッシ⇒サイディング

となっている構造を大阪ではたまに見かけます。
 
 
過去には縦目地の下にハットジョイナーが一切入っておらず透湿防水シートだったこともあります。
 
 
※ハットジョイナー
(サイディングとサイディングとの間に入っている下地材)
 
 
まれなケースではありますが、そのような構造になっていると二次防水である透湿防水紙を切ってしまい雨漏りを誘発してしまう可能性もあるわけです。
 


ご理解しやすいように例をあげながら『増し打ち』について書きましたが、窓廻りはすべて増し打ちにしましょう。という話ではありません。
 
 
撤去出来る場合は、撤去するのが当たり前ですし、ボロボロに傷んでいる箇所をそのまま増し打ちにするのは論外です。
 
 
家は人間と同じで100軒の家があれば100通りの性格があります。
 
 
その中で改修工事は、現在の状態を見極めそこでベストな施工方法をとることが大切です。
 
 
打ち替え、増し打ちにしろ充分なシーリングの厚みが確保すること。
 
 
それが外壁を長持ちする秘訣になります。
 
 
増し打ちでも、良い増し打ちと悪い増し打ちがある事をご理解ください。

シーリング(コーキング)の先打ちと後打ち

 

窯業系サイディングボードを塗装する際、シーリング工事を先にするか?もしくは後にするか?があります。
 

・シーリング工事を先にしてから外壁塗装をする事を『先打ち』

・外壁塗装してからシーリング工事をする事を『後打ち』
 
と言います。
 

新築の際は、工場で塗装したボードを貼っていきますので塗装はありませんが、意味合いでいうと『後打ち』になります。

塗り替えの際、『先打ち』『後打ち』どちらにしなければいけないか?これに正解はありません。
  
 
ちなみにほとんどの塗料メーカーは『後打ち』を推奨しています。

これは次の章で述べますが、メーカーとして責任が持てないということだと思います。
 

【先打ちイメージ図】
  

先打ち

 

【後打ちイメージ図】
  

後打ち

 

紫外線・風雨の影響をうけにくい先打ち。それだったら全て先打ちの方がいいのでは?と思うかもしれませんが『先打ち』『後打ち』でそれぞれにメリット・デメリットがあります。表にしてみました。
 

 

メリット

デメリット

先打ち

シーリングの上に塗装します
ので、紫外線・風雨から
シーリングを守り
劣化の進行を遅らせます。
塗膜よりシーリングの方が
性質上柔らかいですので、
塗膜の表面が割れる事が
あります。

後打ち

シーリング上の塗膜に
不具合(表面の割れ)等が
起こる事はありません。
シーリングに直接、紫外線・
風雨が当たるため傷みが
早くなります。

 

一般論としては『先打ち』での施工が圧倒的に多いと思いますが、ご覧いただいたようにデメリットもあります。

このあたりは施工方法により、そのデメリットを回避する方法もあります。

 

特に気が付きにくい箇所は注意が必要 

006.jpg

 

この写真は築15年、3階建て木造住宅の3階部分のサッシです。

足場を組んで驚きました。

手前側のサッシの上部分に雨仕舞いの処理がしていないのです。

004.jpg

隙間から下地の木が見えるのが分かるでしょうか?

3階部分なので小雨の場合入る事はないですが

横殴りの雨や台風の時は雨水が簡単に侵入します。

雨水が入る
  ↓
下地が腐食する
  ↓
白アリが発生する


今の時代に建てる住宅にはさすがにないと思いますが 、この時代(平成1年~10年位)の建売住宅にはたまにあります。
 

今は細分化されシール工事はシール業者、サイディング工事はサイディング業者となってますが 器用な大工さんが全てこなす場合もあったようです。

今回、塗装工事のため足場を組んで発見出来たわけですが、 場所が場所だけに一生お客さんは気付かなかったでしょう。
 

シーリング(コーキング)の寿命と打ち替え時期

 

一般論としてシールの寿命は通常5年~10年と言われています。

 

一口に打ち替え時期といっても、新築から〇年後にするもの。とは言えません。

というのも、立地環境によって傷み具合が変わってくるからです。
 
 
・山手の比較的地盤が強く2階建て。
 
・国道沿いで車の通りが激しい3階建て。
 
 
同じ時期に建てられた建物であっても傷み方は違います。
 
 
鉄骨、木造によっても変わってきます。
南面、北面の紫外線の当たり方によっても変わります。
 
 
ですので一概には言えませんが、だいたいの目安としては10年を超えたくらいでしょうか。
 
 
ただ、よく誤解されていることなので補足として付け加えますが、シーリングが割れたとしてもお家の中に水が入ってくることはありません。

 
サイディング断面図

※こちらは通気工法のサイディング断面図。
 

これは外壁の断面を図にしたものになります。
 
 
ご覧いただくと分かるように、仮にサイディングが割れたとしても、二次防水である透湿防水紙で雨水が止まるようになりますので、部屋の中にまで雨水が侵入する事はありません。
 
 
ただ、雨水は入らなくてもサイディングは湿気等で、反り・曲がりが起きてきますので、なるべく早い段階でシーリングの打ち替えをされる事をお薦め致します。
 

シーリング(コーキング)工事に足場は必要か?

 

シーリングの打ち替え工事の場合(塗装はしない)
 
 
「足場は必要ですか?ハシゴでは無理ですか?」とたまに聞かれます。
 
 
結論から先に申しますと足場は必要です。

 
※一部の箇所のシーリング工事ではなく全体工事(外壁4面)のお話です。
 

 
ハシゴを動かしながらの施工は手間がかかり、結果的には足場を組む金額と変わらない費用となります。むしろそれ以上に高くなってしまうかもしれません。
 
 
次の章で打ち替え工程をご覧いただけますが、
  
 
・既存シーリング撤去・テープ養生・プライマー・シーリング打ち・テープ養生はがし。
 
 
といった工程をふみますのでそれを一回ずつハシゴを移動しながらの施工には無理があります。
 
 
安全面、施工面を含めシーリング工事には足場が必要とご理解頂けたら幸いです。

 

シーリング(コーキング)工事の工程

 
 
それではシーリング(コーキング)工事の打ち替え工程をご紹介します。
 

築15年を経過したお家です。シーリング仕様はオートンサイディングシーラントになります。
 シーリング工程 (11)
現状は下地が見えて傷んでおり防水性能はありません。
DSC02759_R
既存シーリング材を撤去していきます。
シーリング工程 (12)
専用プライマーを塗ります。
シーリング工程 (7)
シーリング材を充填していきます。
シーリング工程 (8)
ヘラで押さえていきます。
シーリング工程 (9)
養生テープを撤去し完成です。
DSC02777
 

この作業完了後、完全に乾かしてからの塗装工程開始となります。
  
 
少し付け加えると、下地の青い部分をボンドブレーカーと言いシーリング撤去時に剥がれてしまうと、新たにボンドブレーカーを貼ってからシーリングを打ちます。

シーリング工程 (2)

シーリング工程 (3)

 

シーリング(コーキング)材と塗料の相性について

 

さきほど、塗料メーカーは『後打ち』を推奨と書きました。実際、カタログにもそう記載されています。
 
 
どうして塗料メーカーが『後打ち』を推奨なのかと言うと相性の問題です。
 
 
シーリング材はシーリングメーカーから販売されており、塗料は塗料メーカーから販売されています。
 
そのため全てをテストする訳にもいかず責任が持てないんだと思います。

 
 
どれだけいい塗料を使ったとしても、シーリング材との相性が悪ければ早々に剥離してしまい、いい塗料を使用する意味が無くなります。
  
あくまで弊社の場合ですが、シーリングメーカーに使用している塗料を持ちこんで密着のテストを行い合格した塗料だけをご提案しています。

 

 

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