塗り替えの現場調査に行った際、よく見かけるのが大壁工法の割れ、剥がれです。
大壁工法とは、3×10板(910㎜×3030㎜)の板やALCの板を外壁に貼り付け、ジョイント部分を隠す施工方法です。
本来、ボードでもALCでもジョイントを設けるのは建物の動きを緩衝させるためのもの。
なぜジョイント部分を隠すのかといえば、デザインを重視した場合、板と板の継ぎ目が見た目的に悪くなるからという事でしょう。おそらく継ぎ目なく一面をフラットにしたほうが見栄えもよく売りやすいのかもしれません。
しかし数年経った後に割れることがあり、こうなってしまうと塗装ではどうしようもなく新たにサイディングで張り替え直すしか方法がなくなります。
不具合があるから、弊社にお声がかかるわけで何も起こっていないお家からは当然ながらお声がかかりません。つまり私自身が全ての大壁工法を知っている訳ではありません。
弊社は新築の塗装をほぼしないため、このあたりに詳しい同業者のお友達に聞くと、通常大壁工法を採用する際は建材メーカー、塗料メーカー、施工店と三位一体で施工にあたっており、外壁板の貼り方、使用材料、板間の処理方法までのマニュアルがあるとのこと。
貼り方も使用材料も守らず、また板間の処理材の厚み不足、さらに塗膜の厚みを守らなければ、まず割れたり剥離が起こってしまうそうで、キッチリ施工していれば早々に不具合は起きないそうです。
念には念を。新築の際に大壁工法をお選びになる時は、そのあたりを建てる工務店さんからよくお聞きになり、理解されてからの方がいいかと思われます。