よくお見積りでご訪問した際に見かかけるのが窯業系の装飾破風板の剥がれ(はがれ)です。画像では分かりにくいですが矢印部分の塗装が剝がれています。
破風板とは屋根と外壁の間にある部材で、雨の吹込みを防ぐ役割のものになります。
よく破風板と鼻隠しを混同してしまいがちですが、妻面(三角になっている面)にあるのが破風(はふ)で軒樋が付いている方が鼻隠し(はなかくし)になります。部材は同じでも場所によって呼び方が変わるというわけですね。
破風の方の塗膜が剥がれている場合でも、鼻隠しの方は剝がれていないケースがほとんどで、これは軒樋のある(保護になっている)鼻隠しに比べ、破風の方が紫外線、雨、風の影響が受けやすいためです。
そうは言っても、すべての建物で破風板の塗装がめくれているかと言えばそうではなく、原因は新築の際の塗料選定ミス、破風用の部材が使われていないなどのケースが考えられます。
剝がれなど起きていない場合は、通常の塗り替えになり、下塗り、上塗りと塗り重ねますが、一度剝がれた破風板は塗り替えをしたとしても、再度剝がれる可能性が高くなります。
外から見て剝がれ箇所があると、目立ちますので美観的によくないこともありますが、窯業系の素材は水分を吸収しやすいことからあまり放置しすぎるのも良いことではありません。
さて、剥がれている場合の施工方法としては3種類になります。
・素地調整をしてから塗装
・板金を巻く
・破風部材を交換
このあたりは個々の剝がれの進行具合、素地の傷み具合によって施工方法が変わってきます。主観的にはなりますが以下をご参考ください。
症状 |
施工方法 |
費用 |
ほんの少し塗膜が剝がれている場合 |
めくれている箇所を撤去して塗装 |
安 |
塗膜は剝がれているが下地材まで傷んでいない場合 |
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中 |
塗膜も剝がれていて、下地も脆弱に傷んでいる場合 |
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高 |
予算のこともありますので、こうするべきとは言えませんが、だいたい上記の基準で判断すると間違いはないかと思います。
こちらは先日工事したお家の作業状況になります。塗膜はボロボロにめくれていましたが、下地はまだしっかりしていたため上から板金を巻く修理方法で施工しました。
成型したガルバニウム鋼板を破風板の上に貼っていきます。
これで将来的にも塗装がめくれるという心配がなく安心の工法になります。
最後になりますが、破風板の工事は場所が場所だけにどの施工をするにしても仮設足場を組むのが必須となります。(このあたりの考え方は屋根塗装、樋交換工事と同じです。)
そのため、後々に破風部分の施工をするためだけに足場を組むのは勿体無く無駄な費用と言えますので、外壁塗装の際には最適な施工を選択しておいた方がいいと言えます。