『雨漏りと言えば、古い家には良くあることだから仕方ない』

昔の家に住んでいた経験のある方は、なんとなくそう思われるのではないでしょうか。

対策はとりあえずバケツや洗面器。ポタポタと水が溜まっていく様子や雨音は、子供心には面白いものでした。あまりにもひどくなったら何らかの応急処置を…そんな感じでしたよね。ある意味風情すら感じる、懐かしい思い出です。

 

しかし、一生懸命働いたうえにローンを組んで手に入れたマイホーム。それが雨漏り!?となれば全く別の話です。雨漏りと診断された時点で不動産としての評価額は大きく下がりますし、売却の際には告知義務さえも課せられています。

 

雨漏りが進行すれば、見た目や雨垂れの不便、不快だけでは済みません。構造体の腐食、カビ、シロアリといった数々の二次被害が発生。建物の内部にじわじわと致命的なダメージを与えます。さらには、カビや湿気が家族の健康被害をもたらすことさえあります。

 

こうなっては、面白いとか風情があるとか言っていられませんね。どうすれば、雨漏りとは無縁の快適なマイホームを保ち続けられるのか…?
今回のコラムでは、その究極の方法<予防>についてお伝えします。

 

雨漏りを防ぐには

 

雨漏りはよく人間の体に例えられます。初期の病気は治療も容易で、体力の消耗も少なく済む場合が多いです。それと同じく、早く見つけて手を打った雨漏りは補修費用も安く、建物へのダメージも少ないのです。

 

逆に放置した期間が長く、常態化した雨漏りほど最終的に高額な補修費用がかかり、建物の寿命をも縮めてしまいます。
病気も雨漏りも「早期発見、早期治療(補修)」が肝心ということになります。

 

しかし、さらに上を行く方法があります。

 

それは徹底した予防。最初から雨漏りを発生させないことです。これも人間の体と同じように考えてみましょう。病気を寄せ付けない健康体を保つには?若い頃(新築)は何もしなくても大丈夫ですが、歳を重ねるにつれてそれなりの努力が必要になってくるのではないでしょうか。

雨漏りに強いマイホームを維持する3つのキーワード。それは「セルフチェック」「定期検診(点検)」「メンテナンス(塗装)」です。

 

雨漏りのセルフチェック

 

まずはご自分の目で定期的にマイホームを点検する習慣をつけましょう。
普段見過ごしがちな箇所を意識的に確認し、劣化の状態をチェックします。

 

① 家の周囲をぐるりと回って、外壁をチェック。ひび割れや剥がれ、コーキングの劣化が起きていないか。外壁の部分的な変色にも注意。
② 屋根裏や床下の点検口を覗いて、雨水の跡やカビ、腐食などがないか。
③ 壁や天井のクロスに浮きや剥がれ、カビがないか。
④ 壁や天井、サッシ周り、床や畳が不自然に湿っていないか。
⑤ 押し入れや天袋、クローゼットなどの収納にカビがないか。
⑥ ベランダの排水溝にゴミがたまっていないか、パイプが詰まっていないか。
⑦ カビ臭い部屋がないか。

 

屋根のセルフチェックはオススメしません。まずは危険であること。屋根を逆に傷めてしまう可能性があること。素人目には不具合が見つかりにくいなど、デメリットの方が大きいからです。専門の業者による点検を定期的に受けるのが良いでしょう。
セルフチェックに当てはまる箇所がある時も、早めに業者に状態を確認してもらいましょう。

 

雨漏りの定期点検

 

特にセルフチェックの難しい屋根については、5年に1度くらいを目安に専門業者の定期点検を受けることをオススメします。それ以外にも豪雨や暴風、大雪などの災害の後には点検を受けましょう。

 

火災保険には風災や雪災による不具合を補償の範囲内としているものがほとんどです。修理はもちろん点検費用もカバーされますから、遠慮なく受けておきましょう。
もちろん外壁も併せて点検してもらうといいですね。定期的な点検を受けていれば、メンテナンスについても最適なタイミングで行うことができます。

 

雨漏りの診断や修理は、経験と技術を要する難しい作業です。点検やメンテナンスにあたっては、飛び込みの業者に頼むのではなく、継続して任せられる信頼のおける業者を探すことをオススメします。いざという時に「雨漏り診断士」の資格保有者に見てもらえるようであれば安心ですね。